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2015_05
30
(Sat)13:47

昨日見た夢を小説風に

こんにちは。あまりにもドラマチックだったので。








 
 早く行かなければ、と気持ちだけが焦る。

 切り付けられた無数の傷からは、血が流れ続けて、彼女の白いワンピースを真っ赤に染めている。特に左脇腹の傷は深く、夥しい量の出血があり彼女を消耗させていた。

 ひどい痛みに耐えながら、長い長い廊下を彼女は体を引きずるように走っていく。もはや歩いているのとほとんど変わらない速度だったが、ある先を目指してひたすら足を動かし続けた。

 そして、道が2つに分かれているところに差し掛かった。左に折れた先は行き止まりのように見えるが、実際にはあちら側に続いていることを彼女は感じ取った。最後の力を振り絞ってそちらへ向かっていく。不規則な激しい呼吸のせいで、のどが焼け付くように痛かった。

 転がるようにして辿り着いた先には、明らかに異質な灰色の空間が広がっていた。その中にこちらに背を向けた彼の姿があった。何とか引き留めようとするが、もはや声も出ず、手を伸ばそうとすると見えない壁に阻まれる。彼女はそのままずるずると崩れ落ちていき、ついに膝を付いてしまった。もう立ち上がることはできなかった。

 彼が行ってしまう。心の中の叫びが通じたかのように、壁の向こうで彼がこちらを振り返った。最後に見た時と違い、傷一つないきれいな顔だった。

 ゆっくりとこちらに向かって歩いてくる。その表情は曇っていた。

 やっと会えたのに。

 彼女は壁についた右手に力を込めて必死に訴えかける。言いたい言葉はたくさんあるのにひとつとして出てこない。

 痛みは鮮明に感じられるのに、目の前が霞んでいき、あらゆる感覚が遠のいていく。体が思う通りにならない。息苦しさの中でゆっくりと意識が離れていく。そしてついに倒れ込んでしまった。彼に向かう気持ちを右手だけに残して。

 彼は意識を失った彼女の前に膝をつき、壁についたままの彼女の右手に左手を合わせる。壁に阻まれて、その体温を感じることはできない。

 彼女の命は今もこぼれ続けて、真っ赤な染みを少しずつ広げている。

 できることならば、今すぐこちら側へ引き込んで楽にしてあげたい。以前のように手を取って抱きしめて、言葉を交わしたい。

 しかし、彼女にはまだ細いながらも未来への道が続いている。それを奪うわけにはいかなかった。彼女を大事に思う仲間はたくさんいるが、その中で彼女の幸せを1番に願っているのは自分だという自負があった。

 ふと、視界の端に大柄の男の姿が見えた。必死の形相で何かを探している。

 ああ、彼なら、自分と彼女が兄のように慕っていた彼ならば、きっとすぐに彼女を見つけて救ってくれるだろう。その大きな腕で彼女を抱え上げて、死の淵からあっという間に連れ出してくれるだろう。

 せめて、それまでは。

 彼は目を閉じて、彼女にそっと寄り添っていた。





 私は彼女視点で見ていました。不思議な夢だったなあ。ちなみにちゃんと助かりました。
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